【光造形3Dプリンター】レジンの種類と選び方!!各レジンの注意点

こんにちはyohakuです。2年ほど前に光造形3DプリンターANYCUBIC Photonを購入しました。光造形3Dプリンターを購入してからは、FDM方式の3Dプリンターでは出せない高解像度な部品造形を楽しんでいます。(下のリンクは光造形3Dプリンターを活用した作品です。)

今回は、光造形3Dプリンター用に販売されている様々なレジンについて調べ、自分や初心者の方が見て分かりやすいように各レジンの特徴と用途について簡潔にまとめました。

目次

価格重視:標準レジン

【特徴】
レジンの中で最も価格が低く、金銭的なハードルが低い。
脆すぎることもなく、適度な高度を持つ。カラーバリエーションが最も豊富。
負荷のかからないプロトタイプ部品の製作など、数多くの部品を造形する場合は価格が安い標準レジンが圧倒的におすすめ。

【注意点】
レジン自体の匂いが強い。また、標準レジンは造形物の洗浄にIPAなどの洗浄用アルコールを使用するため、徹底した換気と火器の管理が必要。レジン自体も気化すると人体に影響を及ぼす可能性があるため、日光等が当たらない環境を用意する必要がある。
ヤスリやルーターで表面やサポートを削る等の多少の加工は問題なくできるが、追加で穴を開けたり、鋭利な刃で衝撃を加えると割れる可能が高い。

初心者におすすめ:水洗いレジン

【特徴】
大抵のレジンでは先程の標準レジンのように造形物に対してIPAや無水エタノール等の洗浄用アルコールでの洗浄が必要となる。しかし水洗いレジンでは、その名前の通り水道水で安全に洗浄することが可能。
価格は標準レジンと比較してやや高めですが、アルコールの管理が必要ないことを考えると初心者にとてもおすすめ。
標準レジンと比較して造形物のひび割れが起きやすいという情報が見受けられる。(SK本舗の水洗いレジンはひび割れが起きにくいことを売りとしている)

【注意点】
水洗いレジンは吸水性が高く、水につけた状態で放置すると水を吸収してしまう恐れがあるらしい。洗浄後は放置せずに乾燥させたほうが良いでしょう。

耐久性重視なら:ABS-Likeレジン・タフレジン

【特徴】
ABS-Likeレジン・タフレジン等と呼ばれるレジンは、鈍器等で叩いてもかんたんに壊れない強靭性がある。強度が必要な部品を作る際に使用される。強度が欲しいけどFDM方式の3Dプリンターでは難しい複雑な形状な部品や追加工をする前提の部品に使うと良いと思う。価格は標準レジンと比較して高め。プロトタイプ製作に標準レジンを使用し、最終的な構造が決まった後タフレジンで出力という使い方もできそう。

【注意点】
基本的には標準レジンと同じ注意点があげられる。レジン自体の匂いが強い。また、造形物の洗浄にIPAなどの洗浄用アルコールを使用するため、徹底した換気と火器の管理が必要。レジン自体も気化すると人体に影響を及ぼす可能性があるため、日光等が当たらない環境を用意する必要がある。

柔軟性を求める:フレキシブルレジン

【特徴】
柔軟で弾力性が有り、小型ロボットの足の裏面等、他のパーツと組み合わせて使う部品の造形もできる。柔軟性や弾力性が欲しい部品に使うと良い。標準レジンと比較して値段は高め。

【注意点】
フレキシブルレジンは商品によって柔軟性や硬度が異なる。そのため、成分表などを見て自分が欲しいレジンを見極める必要がある。
レジンの匂いが通常のレジンよりも強いため、換気扇を回すなどの徹底した換気が必要。
造形物の洗浄にIPAなどの洗浄用アルコールを使用するため、徹底した換気と火器の管理が必要。レジン自体も気化すると人体に影響を及ぼす可能性があるため、日光等が当たらない環境を用意する必要がある。

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鋳造の鋳型作成に:キャスタブルレジン

【特徴】
キャスタブルレジンは宝飾原型や鋳造用に適しているレジン。鋳型を作るためのもとの形状をキャスタブルレジンで出力し、鋳型を作り終えた後焼失させる。特殊なレジンなため値段はとても高い。

【注意点】
造形物の洗浄にIPAなどの洗浄用アルコールを使用するため、徹底した換気と火器の管理が必要。レジン自体も気化すると人体に影響を及ぼす可能性があるため、日光等が当たらない環境を用意する必要がある。

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まとめ:各レジンをおすすめする場合

標準レジン

  • 大量に造形をするため、出費をできるだけ抑えたい場合。
  • 洗浄用アルコールの管理や、部屋の換気などの自己管理をしっかりとできる。
  • 造形物に対して激しい加工をしない用途。

量産する方におすすめ。

水洗いレジン

  • 洗浄用アルコール等の匂いが気になる場合。(共同の部屋で3Dプリンターを使う場合等)
  • 造形物に対して激しい加工をしない用途。
  • 火器を扱う環境で光造形を利用しなければならない場合。

標準レジンよりは少し値段は上がりますが、圧倒的に初心者におすすめのレジン。

ABS-Likeレジン・タフレジン

  • ドリル等で追加工をする前提の部品を造形する場合。
  • 耐衝撃性が必要な部品を造形する場合。

FDMプリンターでは難易度の高い複雑な形状ながら、比較的強い部品を造形したい時におすすめ。

フレキシブルレジン

  • 柔軟性が欲しい部品を造形したい場合。

柔軟性や耐衝撃性が欲しい部品を造形したい時におすすめ。
フレキシブルレジンはレジンによって、硬度や耐久性が異なるため、成分表などを見て大まかに理解してから購入すると良いと思います。

キャスタブルレジン

  • ジュエリー等のための鋳型を作りたい人。

キャスタブルレジンは、500gあたり1万円~5万円程度の価格帯の超上級者向けのレジン。
おそらく初心者向けのこの記事を読んでいる方にはあまり関係のないレジンだと思いますが、今後鋳型を作りたくなったらお世話になると思います。

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この記事を書いた人

yohakuのアバター yohaku メカ設計者/ブロガー

趣味はモノづくり・買い物・写真。一応ものづくり系の世界大会や国際大会に出場してます。おしゃれなモノの買い物が好きだけど、自分でも作りがち。

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